iphoneのバックアップがパソコンなしで可能なら、作業が簡単そうですよね。
バックアップは手順が面倒かつ時間がかかるので、つい後回しにしている方もいるでしょう。
しかし、iphoneのバックアップができないままでいると、故障した際にデータが復元できません。
この記事では、iphoneのバックアップを外付けHDDにする方法のほか、容量不足の対処法を、元システムエンジニアの筆者が分かりやすく解説しています。
▼ この記事に書いていること
mac・windowsのバックアップ方法も紹介しますので、大切な思い出を残したい方は必見です。
iphoneのバックアップを外付けHDDにする方法
iphoneのバックアップ先を、外付けHDDにする方法をまとめました。
iphoneのバックアップ先を外付けHDDにする方法が分かれば、パソコンの容量を圧迫しません。
HDD(ハードディスクドライブ)を利用するメリットには、以下が挙げられます。
▼ HDDのメリット
- テラバイト単位で、大量のデータ保存に向いている
- SSDと比較し、容量あたりの単価が安い
大容量のデータ保存を可能にするため、HDDはバックアップに向いているでしょう。
また、一度購入すればお金はかからないため、データが多い方は、月額制のiCloudよりもお得です。
一方で、HDDにはこのようなデメリットもあります。
▼ HDDのデメリット
- 衝撃に耐性がなく、持ち運びに向かない
- SSDと比較し、読み書きが遅い
HDDは衝撃に耐性がないため、家やオフィスといった場所に据え置きで使うのに適しています。
SSDと比較すると読み書きは遅くなるので、時間に余裕を持ってバックアップしましょう。
具体的なバックアップ方法も含め、詳しく解説していきます。
パソコンなしでもできる?
パソコンなしで、iphoneと外付けHDDを直接つなぎ、バックアップすることは可能です。
ただし、どのような外付けHDDでもバックアップできるわけではありません。
以下の条件のいずれかに合う外付けHDDが必要です。
- iphoneと互換性のあるケーブルが付属としてついているもの
- iphoneとHDDを連携させる専用アプリに対応しているもの
もっと手軽にバックアップを取りたい方は、iCloudを利用しましょう。
macの場合はどうする?
macを経由し、iphoneのバックアップデータを外付けHDDに取り込むことも可能です。
やり方はさまざまですが、この記事では最も単純かつ、簡単な手順をお伝えします。
紹介する方法は、macOS 10.15以降の手順です。10.14以前のバージョンを使っている方はバージョンアップするか、iTunesを利用してバックアップを取りましょう。
▼ macから外付けHDDに保存する方法
- iphoneと外付けHDDを、USBケーブルを利用してmacに接続する
- Finderのサイドバーからデバイス(iphone)を選択し、「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップが完了するまで待機する
- Finderを開いた状態で、画面上部のメニューにある「移動」をクリック
- 移動のタブを開いた状態でキーボードのoptionを押し、[ライブラリ]をクリック
- [Application Support] > [MobileSync] > [Backup]を開く
- 2で作成したバックアップや、過去のバックアップがあることを確認
- iphoneの接続を終了する(外付けHDDはつけたままとする)
- Finderを立ち上げて外付けHDDの領域を開き、7のバックアップをドラッグ&ドロップ
- 6で開いた場所にバックアップが存在しないことを確認
(残っている場合、HDDにデータを移行したことを確認してから削除)
移動するデータ量が大きい場合、1番時間がかかるのが、外付けHDDへのデータ移行作業です。
フリーズする可能性もあるため、macから外付けHDDへ移行する前に、iphoneは外しておきましょう。
データを復元する場合は、上記手順の6で開いたフォルダーに、復元したいバックアップを戻してから作業しましょう。
windowsは?
windowsも、iTunesを利用することで、外付けHDDへの保存が可能です。
こちらもmacと同様、最も簡単な方法を紹介します。
以下、windows経由で外付けHDDにパックアップを取り込むための手順です。
▼ windowsから外付けHDDに保存する方法
- iTunesのアプリケーションが入っていない場合は、ストアよりダウンロードする
- iphoneと外付けHDDを、USBケーブルを利用してwindowsに接続する
- iTunesを起動し、「このiphoneを信頼する」をクリック
- 左上のスマホのアイコンをクリックし、[概要] > [今すぐバックアップ]をクリック
- バックアップが完了するまで待機する
- 検索バーに「%appdata%」と入力する
バックアップが表示されない場合は「%USERPROFILE%」と入力する - [Apple(またはApple Computer)] > [MobileSync] > [Backup]を開く
- 4で作成したバックアップや、過去のバックアップがあることを確認
- iphoneの接続を終了する(外付けHDDはつけたままとする)
- エクスプローラーを立ち上げて外付けHDDの領域を開き、8のバックアップをドラッグ&ドロップ
- 7で開いた場所にバックアップが存在しないことを確認
(残っている場合、HDDにデータを移行したことを確認してから削除)
macとの違いは、iTunesを利用することと、保存場所が異なることです。慣れれば手順を見なくても、作業できるようになるでしょう。
iphoneのバックアップにかかる時間は?
iphoneのバックアップにかかる時間は、機器の状態や、バックアップの容量によって変わります。
1分ほどですぐに終わることもあれば、1時間以上かかることもあるでしょう。
こまめにバックアップを取ること、時間に余裕を持って作業することをおすすめします。
そのほか、バックアップの時間に関する、気になる疑問をまとめました。
iCloudの利用時も解説していますので、バックアップの時間が気になる方は参考にしてください。
終わらない・遅いのはなぜ?
バックアップが終わらない・遅いといった場合、複数の原因が考えられます。
- 動画や画像のデータが多すぎる
- 通信環境が不安定
- USBケーブルに問題がある
- iTunesのバージョンが古い
バックアップが終わらない最大の要因は、データ量が多いことです。
データが多いと処理に時間がかかるので、こまめにバックアップをとり、徐々に改善を図りましょう。
iCloudを利用している場合、通信環境が不安定だと、バックアップに膨大な時間がかかります。
iCloudを利用してバックアップを取る際は、必ずWi-Fiへつなぐようにしましょう。
そのほか、断線といったUSBケーブルの問題や、iTunesのバージョンが古いこと、パソコンのUSB接続部の破損といった要因が考えられます。
何をしても終わらない・遅いのが改善されない場合は、Appleの公式サポートや、ご利用のパソコンのサポート会社に問い合わせてみましょう。
残り時間が表示されない場合は?
iCloudバックアップで残り時間が表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
- Wi-Fiの通信環境が悪い
- iOSが最新になっていない
- iOSをしばらく再起動していない
通信環境が悪かったり、再起動や最新化していないことで、内部処理がバグを起こしている可能性も。
Wi-Fiを再起動したり、iOSの最新化や再起動することで改善する可能性があるので、試してみましょう。
何をしても残り時間が表示されず、バックアップが全く進まない場合は、Appleの公式サポートへ問い合わせましょう。
iphoneのバックアップができない理由とは?
iphoneのバックアップ・復元をしたくてもできないときの対処法をまとめました。
iCloudやiTunesでのバックアップや復元に困ったら、対処法を参考にしてください。
①容量不足|容量を減らすには?
バックアップができない理由の1つ目は、iCloud上の容量が不足している場合です。
容量を減らすためには、iphoneに対し、以下の手順でデータを整理しましょう。
- [設定] > [名前] > [iCloud] > [アカウントのストレージ管理]を開く
- ストレージに追加されているデータが一覧で表示されているため、不要なデータを削除する
iCloudは、5GBのみ誰でも無料で利用できますが、わりとすぐに容量がいっぱいになります。
50GBでも月額130円(税込)のため、容量がいっぱいの方はストレージプランを見直しましょう。
ストレージプランを変更したい場合は、[設定] > [名前] > [iCloud] > [アカウントのストレージを管理] > [ストレージプランを変更]から手続きしましょう。
②パスワードを設定した覚えがない・忘れた
バックアップデータのパスワードの設定をした覚えがない、忘れた場合、まずは思い当たるパスワードを打ち込んでみましょう。
ヒントになりそうな内容を挙げてみましたので、全く思い出せない方は以下も参考にしてください。
- 誕生日、家族や恋人の誕生日、結婚記念日
- AppleIDやGoogleアカウントのパスワード
- パソコンのログインパスワード
- 0000、1111、1234、passなど
iphoneのように、複数回間違えてもロックされることはないので、何度も試しましょう。
それでもパスワード不明の場合、iphoneをリセットすることで、新たにパスワードが設定できます。
ただし、リセットすると過去のバックアップが使えなくなりますので、注意が必要です。
リセットしても、ユーザーデータやパスワードに影響はありませんが、以下の機能が初期化されます。
- 画面の明るさ
- ホーム画面のレイアウト
- 壁紙の設定
- ネットワーク設定
- キーボードの変換学習
- 位置情報
- プライバシー設定
- 暗号化したバックアップパスワード
上記がリセットされても問題ない方は、以下の手順を実施してください。
- iphoneの[設定] > [一般] > [転送またはiphoneをリセット]の順に選択
- [リセット]をタップ
※ [すべてのコンテンツと設定を消去]は初期化のため、絶対選択しない - [すべての設定をリセット]をタップ
- デバイスのパスコードを入力する
- [すべての設定をリセット]をタップ
- デバイス(iphone)をFinderやiTunesに接続し、暗号化バックアップを作成
使用できなくなった過去のバックアップはストレージを圧迫するだけなので、削除しておきましょう。
③エラー
バックアップで起こるいくつかのエラーについて、解決方法をまとめて一覧にしました。
エラー概要 | 対処法 |
---|---|
エラーが起きたためコンピューターで デバイスをバックアップできない |
・iOSのバージョンが最新か確認する ・最新でない場合はアップデートする |
ディスク容量が不足している | ・Mac、Windows、HDDなどの空き容量を作る ・iCloudの場合はこちらを参照して対応する |
バックアップが破損しているか 互換性がない |
・MacやWindowsなどのOSをアップデートする ・iTunesを最新化する |
上記以外のエラーが出た場合や、対処法を実践しても解決しない場合は、Appleの公式サポートへ直接問い合わせてください。
iphoneのバックアップが復元できない場合はどうする?
「iphoneのバックアップをしたいけれど、復元できない」「やり方が分からない」場合の対処法です。
まずは、バックアップの復元方法が正しいか確認しましょう。
前提として、移行対象のiphoneは初期化されている必要があります。
iCloudの場合と、パソコン経由でのバックアップの場合をそれぞれ解説します。
▼ iCloud経由の復元方法
- iphoneを起動し、言語や国を設定する
- 「手動で設定」をタップ
- 「iCloudバックアップから復元」をタップ
(iOS 11以降、2台のiphoneでデータを復元)
- 新しいiphoneを起動する
- 古いiphoneを近づけると表示される「クイックスタート」をタップ
- 設定完了後、iCloudから写真等のデータを復元する
クイックスタートは、古いiphoneがWi-Fiにつながっており、Bluetoothがオンになっていることを確認した上で実行してください。
次に、パソコンやHDDに保存したデータの、バックアップ復元方法です。
ここで注意したいのは、外付けHDDやSSDにバックアップを移している場合、先にバックアップを元の位置に戻す必要があります。
所定のバックアップの場所にデータを戻してから、バックアップの復元を実行してください。
▼ HDD・SSDバックアップの移行先
- Macの場合
⇒ macの場合はどうする? > macから外付けHDDに保存する方法 > 手順6の場所 - Windowsの場合
⇒ windowsは? > windowsから外付けHDDに保存する方法 > 手順7の場所
▼ パソコン経由の復元方法
(macOS 10.14以前、または Windows PCの場合)
- 新しいiphoneをUSBケーブルでパソコンに接続する
- iTunesアプリを開く
- 左上のスマホボタン > [概要]をクリック
- [バックアップを復元]をクリック
- リストからバックアップを選択し「続ける」をクリック
(macOS 10.15以降)
- 新しいiphoneをUSBケーブルでパソコンに接続する
- Finderを開き、サイドバーのiphoneを選択し「信頼」をクリック
- 「このバックアップから復元」をクリック
- リストからバックアップを選択し「続ける」をクリック
次に、何らかのエラーが原因で、バックアップ復元ができない時の対処法を紹介します。
iCloudで復元できない場合は、以下の対処法を1つずつ試してみてください。
▼ iCloudで復元できない時の対処法
- Wi-Fiの接続を確認
- Wi-Fiの接続先を変更
- バックアップ時のAppleIDか確認
- iOSのバージョンを最新化
iCloudでの復元は基本的にWi-Fiが必須となるため、まずはWi-Fiの状態を確認することをおすすめします。
途中でエラーとなる場合は、Wi-Fiの接続先を変えたほうが良いかもしれません。
次に、パソコン経由でのバックアップで復元できない場合の対処法です。
こちらも確認し、1つずつ実行してみてください。
▼ パソコンで復元できない時の対処法
- iTunesのバージョンを最新化
- iOSのバージョンを最新化
- バックアップの場所を変更※外付けHDD利用時
- USBケーブルを変更
- パソコン側のUSB接続部を変更
iTunesのバージョンが古くなっていないか、USBケーブルに故障がないかを中心に確認しましょう。
上記を試しても復元できない時は、Appleの公式サポートへ直接問い合わせてください。
復元時間はどれくらい?
復元時間ですが、iCloudは1時間〜4時間ほど、パソコンのバックアップは15分〜30分ほどが目安です。
しかし、バックアップデータのサイズや、通信速度、Wi-Fiの安定状況も、復元時間に影響します。
写真や動画データは容量が大きいため、不要なデータはこまめに消し、日頃から整理しましょう。
移すデータ量が少ないほど、バックアップの復元時間も短くなります。
iphoneのバックアップに関するよくある質問
iphoneのバックアップに関する、よくある質問や疑問をまとめました。
1つずつ回答します。
バックアップしないとどうなる?
iphoneをバックアップしていないと、データの完全な復元ができません。
写真や動画、書類、連絡先や保存した音楽などのデータを、全て復元するのは不可能です。
iPhoneバックアップもしてないわ つんだ 引用元:X-@etuhiro06221
大切なデータを残しておくためにも、バックアップは定期的に行いましょう。
バックアップには何ギガ必要?
バックアップにiCloudを利用したい方は、50ギガバイトのストレージプランがおすすめです。
iPhone使ってる人ってiCloudどんぐらい使ってる? もう50ギガパンパンなんだけど 引用元:X-@Odwusswu_1024
ストレージが足りなくなった場合は、不足分のプランを上げるか、HDDやSSDに切り替えましょう。
HDDで大量のデータを保存したい場合は、2テラバイト(2000ギガバイト)以上を選ぶのがベター。
そこまでデータ量が多くない方は、500GB程度の外付けSSDを選ぶのも良いでしょう。
途中で止まる場合にやめるとどうなる?
途中で止まる場合にバックアップをやめると、最初からやり直しです。
iPhoneのパソコン接続でのバックアップあと少しで終わるってとこで何かしら途切れて最初からになるのすごい嫌い(本日3回目) 引用元:X-@cobra_suzuki
データが消えることはありませんが、中断した箇所からバックアップの再開はできません。
また、中途半端に作成したバックアップが、ストレージ上に残っている可能性があります。
バックアップデータは容量が大きいので、途中でやめた場合、都度バックアップを削除しておきましょう。
wifiなしの場合は?
iCloudへwifiなしでバックアップしたい場合、iOS16以降は、モバイル通信が利用可能です。
▼ wifiからモバイル通信に切り替える方法
- iphoneの[設定] > [自分の名前] > [iCloud] > [iCloudバックアップ] を開く
- [モバイル通信経由でバックアップ]をオンに切り替える
モバイル通信経由でバックアップする際は、通信プランを見直してから実施すると良いでしょう。
データ使い放題などの通信プランに入っていない場合、多額の追加請求が来てしまいます。
また、USBケーブルを経由したデータ転送はwifiが不要です。
通信プランの見直しをしたくない方は、パソコンやHDDにつなぎ、iTunesやFinderからバックアップを取る方法に切り替えることをおすすめします。
まとめ
最後に、この記事の内容をまとめました。
- iphoneのバックアップに外付けHDDは利用可能
- バックアップできない場合は容量の見直しやOSを最新にする
- パソコンなしでもiCloudや対応可能なHDDでバックアップ可能
自分に合ったやり方を見つけて、大切なデータをこまめにバックアップしてくださいね。
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