40代や50代になってから親知らずの抜歯が必要だと言われたら、少なからず不安を伴う方が多いと思います。
また、親知らずが生えてくる年齢は若いというイメージがありますが、40代や50代でも生えることはあるのでしょうか。
そこで今回は、40代・50代で親知らずを抜歯する危険性や親知らずが生える年齢などをまとめてみました。
▼この記事に書いていること
横向きの親知らずの抜歯を40代・50代でするリスクについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
40代で親知らずの抜歯は危険?50代は?
親知らずは若いうちに抜いたほうが良い、と耳にしたことがあるという方も多いと思います。
実は、40代で親知らずの抜歯をすると、以下のようにさまざまな危険が伴います。
- 20〜30代と比べると、抜歯後の傷の治りが遅い
- 生活習慣病がある場合、薬の影響で止血が遅くなる
- 骨が硬く、抜歯に時間がかかり腫れ・痛みが長引く
- 最悪の場合、抜歯によって顎の骨が折れてしまうことがある
(参考1):ビー・ブラウンエースクラップ−創傷治癒に影響を及ぼす要因
(参考2):ドクターズ・ファイル−放置すると大きなリスク 親知らず抜歯のメリットとは
50代での抜歯はさらに危険?
50代で親知らずを抜歯する場合も、抜歯後の治りが悪い、出血が多くなる、顎の骨が折れるなどの危険性があります。
また、50代の3人に1人は骨粗鬆症になるといわれています。(参考3):日本歯科衛生士会−骨粗鬆症とお口の関係
そして骨粗鬆症の治療薬の一つである骨吸収抑制薬を服用していると、抜歯後、稀に顎骨壊死を起こしてしまうことがあります。
50才代で親知らずを抜歯する際もある程度危険が伴うため、やはり若いうちに抜歯をした方がスムーズにいきそうです。
親知らずの抜歯は怖い?40代・50代の口コミ
親知らずの抜歯と聞くと、やはり「怖い・痛い」というイメージが強いですよね。
そこで、親知らずの抜歯を怖いと思うのかどうか、40代や50代の口コミを以下にまとめてみました。
40代になってはえてきた親知らず…とうとう虫歯になってなっちゃって>_< 抜くことになっちゃったよー(´・_・`)怖いなぁ…引用元:X-@azumass0704
歯医者で親知らずの抜歯を勧められました!大きな病院でなくてはいけないほど、大掛かりな感じです。50代過ぎて抜歯ってどうなんでしょうか…怖い 引用元:X-@olivefiftythree
親知らずを40代や50代で抜く場合も、やはり怖いものは怖いようです。
親知らずが生える年齢|40代・50代で生えるの?
親知らずが生えてくる年齢は、10代後半〜20代前半が多いといわれています。(参考4):歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020−親知らず
しかし、40代や50代で親知らずが生えてきた、という声がSNS上に多くみられました。
まさかの 40代で親知らず生えてきてるんだが…いまさら?!引用元:X-@yuukikaga
親知らず1本も生えてない。でも母が50代で生えてきたから油断できない 引用元:X-@negifan_ibisKNM
ずっと歯茎に埋まっていたにもかかわらず、40代や50代で親知らずが生えることもあるようです。
若いうちに歯のレントゲンを撮ってもらい、親知らずがあるかどうかを確認するとより良いでしょう。
40代・50代で親知らずが成長することはある?
親知らずに関する口コミを調べてみると、親知らずが40代でも成長するという声が聞かれました。
夕方から左の親知らず第X回目の成長期到来。40代の先輩に話したら40代後半でもまだ成長するって言ってた 引用元:X-@NAMIO2889
親知らずが斜めに生えてしまうと隣の歯などにぶつかり、成長が途中で止まってしまうことがあります。
しかし、成長が止まって歯の頭だけが出ている状態(半埋伏歯)は、多くの場合将来的に虫歯や痛みなどのトラブルが現れます。(参考5)日本臨床口腔外科医会−埋伏歯
そのため、症状がない場合も早期の抜歯が推奨されており、40代や50代で残っている方はあまり多くない可能性が考えられます。
40代や50代で半埋伏歯が成長するケースは少なく、正常な親知らずにトラブルが起きている可能性があります。
横向きの親知らずの抜歯|40代・50代のリスクは?
親知らずは①まっすぐに生える、②斜めに生える、③横向きに生える、の3通りの生え方があります。
このうち、横向きに生えている場合、多くのケースで親知らずは一部または全部が歯茎の中に埋もれています。
そのため、抜歯をするためにはまず歯茎を切開します。
そして必要に応じて歯の周りの骨を削った後歯を分割して取り除き、切開した部分を縫い閉じます。(参考6):札幌医科大学 医学部 口腔外科学講座−親知らず
しかし、先程もご紹介したとおり40代や50代は骨が硬いため、どうしても親知らずの抜歯に時間がかかってしまいます。
さらに傷の治りも遅いため、痛みや腫れが長引くというリスクを伴います。
▼横向きの親知らずの抜歯例です。40代や50代ではさらに骨を削らなければいけないケースも少なくありません。
【Q&A】親知らず抜歯のよくある質問
親知らずの抜歯について、よくある質問を以下にまとめてみました。
それでは早速一つずつみていきましょう。
親知らずの抜歯は死ぬほど痛いの?
親知らずの抜歯は死ぬほど痛い、とよく耳にしますよね。
しかし、抜歯中は必ず麻酔をかけ、痛みをなるべく感じないようコントロールしてくれます。
そのため、麻酔が切れた後の方が痛みが強く、抜歯当日から3日くらいをピークに、痛みが生じます。(参考6):札幌医科大学 医学部 口腔外科学講座−親知らず
痛みは1週間程度で改善しますが、どうしても痛みに耐えられない場合は主治医に相談するようにしましょう。
親知らずの抜歯の失敗確率は?
親知らずの抜歯の失敗例としては、骨と癒着していて抜歯ができなかったり、抜歯中に神経に傷が付き麻痺が出たりすることがあります。
親知らずの抜歯の失敗確率はわかりませんでしたが、親知らずの抜歯後に神経障害が起こる確率は0.08〜0.6%といわれています。(参考7):J-STAGE−歯科治療後知覚神経障害による医事紛争
失敗確率は低いですが、心配な場合はセカンドオピニオンなどを行い、信頼できる歯科医院で抜歯を行なうようにしましょう。
親知らずの抜歯で体調が良くなった?
親知らずは一番奥にある歯なので、どうしても歯磨きが不十分になってしまいます。
そのため、虫歯や炎症が起こりやすく、痛みや腫れが出たり、口が開きにくくなったりします。(参考6):札幌医科大学 医学部 口腔外科学講座−親知らず
親知らずを抜歯すればこれらの口内トラブルが解消されるため、体調が良くなったと感じる方もいるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
40代・50代でも親知らずが生えてくることがあると聞いて、驚いている方も少なくないかもしれません。
また、親知らずによって口内トラブルが起きた場合など、40代・50代になってから抜歯が必要になるケースがあります。
しかし、40代や50代は若い時と比べると、どうしても親知らずの抜歯にさまざまな危険性が伴います。
そのため、40代や50代で抜歯が必要になった場合は、かかりつけ医とよく相談しながら抜歯をするべきかどうかをしっかり検討しましょう。
▼参考にしたページ一覧
(参考1):ビー・ブラウンエースクラップ−創傷治癒に影響を及ぼす要因
(参考2):ドクターズ・ファイル−放置すると大きなリスク 親知らず抜歯のメリットとは
(参考3):日本歯科衛生士会−骨粗鬆症とお口の関係
(参考4):歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020−親知らず
(参考5)日本臨床口腔外科医会−埋伏歯
(参考6):札幌医科大学 医学部 口腔外科学講座−親知らず
(参考7):J-STAGE−歯科治療後知覚神経障害による医事紛争
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